本基板A47CPですが、それなりの枚数を頒布させていただきました。
それに伴い、使用するオペアンプの品種に関するご質問が多くなってきましたので、本基板における選択方針と簡単なインプレなどをまとめてみました。
動作電圧が中途半端・・・などのご意見もありますが、利得用オペアンプについては意外に色々な品種が動作します。(鳴らすだけならLT1028やLT1128などについて動作確認しています。)ただし、DCDCによる昇圧を用いているため、通常の電池駆動に加えて気をつけたほうが良い点があります。
・選択方針
気をつける点としては、以下の2点です。なお本基板をMX2-6-10ケースにいれた場合、物理的にDIP品のシングルオペアンプは搭載不可能になります。こちらも忘れずに。
1.回路全体の消費電流
本基板は、チャージポンプICを使った負電源生成を行っています。また、電源ラインのノイズ除去にRCフィルタを用いています。そのため、回路全体の消費電流は抑えめに構成するほうが望ましいです。理由は以下の3点。
1)チャージポンプICの出力能力
ICの出力電流(MAX 100mA)が決まっているため、消費電流が大きすぎると電流不足に陥る可能性がある(低音の量感不足や音の伸びの悪さなどにつながる)。余裕を見て、最大出力の30~50%程度の消費電流で抑えておいたほうが良い。
2)RCフィルタおよびチャージポンプICの出力インピーダンス
電源ラインに抵抗成分が存在するため、電圧降下が起こる。消費電流が大きくなると、当然の事ながら電圧の降下が大きくなる。
3)駆動時間
ポータブルアンプであるため、駆動時間は長い方が良い。
2.U2(バッファ)の選択
バッファであるU2にはドライブ能力が高い品種を選択してください。ドライブ能力が高い品種を選ぶ事で、U1の動作を助けるように働くため、U1の選択肢が広がります。
注目する点は動作電圧と出力電流です。U2のオペアンプについては±3V程度でしっかりと動作する、出力電流の大きな品種を選ぶのが良いです。さらに、スルーレートがそこそこあるとなお可。
このような点に考慮して、オペアンプを選択するのが望ましいです。
以下に、手持ちの品種について至極簡単なインプレなど。
U2のオススメ品種としては、本基板の部品表に挙げた3品種が良いと思います。
U2に用いた場合、以下のような感じだと考えてください。
LT1723・・・ややソフト志向。高音域がキツクなり過ぎた場合などに良い。
LT1498・・・厚みや量感の底上げ。ただし出力電流はそこそこなので、U1の品種によってはそれほど低域が出てこない場合もある。
LMH6643・・・低域の量感がやや増す。癖自体はあまりない。なお、U1(利得)には向かない。
個人的な最近のお気に入りはLMH6643です。ただし、U1との組み合わせにもよるので絶対ではありませんが。
U1については以下のような品種を挙げてみます。
OPA211・・・重厚感があるがキレのある低域。ただし、一回路品なのでデュアル化基板が必要。
OPA2211・・・上記品種の2回路品。
OPA1612・・・OPA2211をややソフトにした印象。
LT1723・・・中低域が厚い。ウェットな印象で広がりのある音。音に厚みがあるため、やや明瞭感に欠けているように感じるかもしれないが、解像度自体は高い。
LT1468・・・クセのないバランスの良い音。解像度や音の分離が高い。音質硬め。
LT1469・・・上記品種の2回路品。
LT1468-2・・・LT1468の高速版。音の分離が非常に良い。
LT1469-2・・・上記品種の2回路品。
LT1363・・・オーディオ的ですっきりとした音。
LT1364・・・上記品種の2回路品。
LT1112・・・低域弱い。味付けや飾り付けが全くない素直な音。Aランク品(LT1112A)だと多少低域が補強されているので、ややバランスが良くなっている。消費電流が非常に少ない。
LT1638・・・バランスの良いフラットな音。やや中域が伸びる感じ。消費電流が非常に少ない。
LT1498・・・すっきりとした音だが、飾りの無い音ではなく中高音域の雰囲気が良い。
キリがないので、品種の列挙としてはこの辺で。この辺で挙げた品種を用いた場合は、回路の消費電流が大体30mAそこそこになるはずですので、電源能力に対する余裕ができます。
LT1028、LT1122、LT1128なども鳴りますが、消費電流は40mAを超えてきます。その他、低電圧オペアンプでもLT1807やLTC6244など、消費電流が大きな品種は避けたほうが良いです。
上記の品種を用いた組み合わせの一例としては、以下のようなものがあります。
1.BBの雰囲気のままクリアさを増すなら→OPA211(or OPA2211)/LMH6643
2.メリハリがある、高解像度な音を求めるなら→LT1468-2(LT1469-2)/LMH6643
3.低域を厚くしつつ、広がりのある音にするなら→LT1723/LMH6643
4.フラットで奥行きのある音にするなら→LT1638/LT1498
これらの組み合わせについては、厳しいポップノイズは出ない事を確認しました(多少は出ますが)。
なお、1と2はオペアンプだけで結構お値段がします。表面実装オペアンプを使うのが面倒な場合は、LT1638、LT1498、LT1364、LT1469などがDIP品で揃えられます。
ちなみにこの文章で挙げたオペアンプですが、「マルツ」「ビスパ」「RSコンポーネンツ」のいずれかにて通販可能なことを確認済みです。LT1469の DIP品については、「共立エレショップ」で比較的安価で販売しています。「Digikey」「RSコンポーネンツ」で発注できるのなら、マルツやビスパ などよりも安価で入手可能な場合があります。
それに伴い、使用するオペアンプの品種に関するご質問が多くなってきましたので、本基板における選択方針と簡単なインプレなどをまとめてみました。
動作電圧が中途半端・・・などのご意見もありますが、利得用オペアンプについては意外に色々な品種が動作します。(鳴らすだけならLT1028やLT1128などについて動作確認しています。)ただし、DCDCによる昇圧を用いているため、通常の電池駆動に加えて気をつけたほうが良い点があります。
・選択方針
気をつける点としては、以下の2点です。なお本基板をMX2-6-10ケースにいれた場合、物理的にDIP品のシングルオペアンプは搭載不可能になります。こちらも忘れずに。
1.回路全体の消費電流
本基板は、チャージポンプICを使った負電源生成を行っています。また、電源ラインのノイズ除去にRCフィルタを用いています。そのため、回路全体の消費電流は抑えめに構成するほうが望ましいです。理由は以下の3点。
1)チャージポンプICの出力能力
ICの出力電流(MAX 100mA)が決まっているため、消費電流が大きすぎると電流不足に陥る可能性がある(低音の量感不足や音の伸びの悪さなどにつながる)。余裕を見て、最大出力の30~50%程度の消費電流で抑えておいたほうが良い。
2)RCフィルタおよびチャージポンプICの出力インピーダンス
電源ラインに抵抗成分が存在するため、電圧降下が起こる。消費電流が大きくなると、当然の事ながら電圧の降下が大きくなる。
3)駆動時間
ポータブルアンプであるため、駆動時間は長い方が良い。
2.U2(バッファ)の選択
バッファであるU2にはドライブ能力が高い品種を選択してください。ドライブ能力が高い品種を選ぶ事で、U1の動作を助けるように働くため、U1の選択肢が広がります。
注目する点は動作電圧と出力電流です。U2のオペアンプについては±3V程度でしっかりと動作する、出力電流の大きな品種を選ぶのが良いです。さらに、スルーレートがそこそこあるとなお可。
このような点に考慮して、オペアンプを選択するのが望ましいです。
以下に、手持ちの品種について至極簡単なインプレなど。
U2のオススメ品種としては、本基板の部品表に挙げた3品種が良いと思います。
U2に用いた場合、以下のような感じだと考えてください。
LT1723・・・ややソフト志向。高音域がキツクなり過ぎた場合などに良い。
LT1498・・・厚みや量感の底上げ。ただし出力電流はそこそこなので、U1の品種によってはそれほど低域が出てこない場合もある。
LMH6643・・・低域の量感がやや増す。癖自体はあまりない。なお、U1(利得)には向かない。
個人的な最近のお気に入りはLMH6643です。ただし、U1との組み合わせにもよるので絶対ではありませんが。
U1については以下のような品種を挙げてみます。
OPA211・・・重厚感があるがキレのある低域。ただし、一回路品なのでデュアル化基板が必要。
OPA2211・・・上記品種の2回路品。
OPA1612・・・OPA2211をややソフトにした印象。
LT1723・・・中低域が厚い。ウェットな印象で広がりのある音。音に厚みがあるため、やや明瞭感に欠けているように感じるかもしれないが、解像度自体は高い。
LT1468・・・クセのないバランスの良い音。解像度や音の分離が高い。音質硬め。
LT1469・・・上記品種の2回路品。
LT1468-2・・・LT1468の高速版。音の分離が非常に良い。
LT1469-2・・・上記品種の2回路品。
LT1363・・・オーディオ的ですっきりとした音。
LT1364・・・上記品種の2回路品。
LT1112・・・低域弱い。味付けや飾り付けが全くない素直な音。Aランク品(LT1112A)だと多少低域が補強されているので、ややバランスが良くなっている。消費電流が非常に少ない。
LT1638・・・バランスの良いフラットな音。やや中域が伸びる感じ。消費電流が非常に少ない。
LT1498・・・すっきりとした音だが、飾りの無い音ではなく中高音域の雰囲気が良い。
キリがないので、品種の列挙としてはこの辺で。この辺で挙げた品種を用いた場合は、回路の消費電流が大体30mAそこそこになるはずですので、電源能力に対する余裕ができます。
LT1028、LT1122、LT1128なども鳴りますが、消費電流は40mAを超えてきます。その他、低電圧オペアンプでもLT1807やLTC6244など、消費電流が大きな品種は避けたほうが良いです。
上記の品種を用いた組み合わせの一例としては、以下のようなものがあります。
1.BBの雰囲気のままクリアさを増すなら→OPA211(or OPA2211)/LMH6643
2.メリハリがある、高解像度な音を求めるなら→LT1468-2(LT1469-2)/LMH6643
3.低域を厚くしつつ、広がりのある音にするなら→LT1723/LMH6643
4.フラットで奥行きのある音にするなら→LT1638/LT1498
これらの組み合わせについては、厳しいポップノイズは出ない事を確認しました(多少は出ますが)。
なお、1と2はオペアンプだけで結構お値段がします。表面実装オペアンプを使うのが面倒な場合は、LT1638、LT1498、LT1364、LT1469などがDIP品で揃えられます。
ちなみにこの文章で挙げたオペアンプですが、「マルツ」「ビスパ」「RSコンポーネンツ」のいずれかにて通販可能なことを確認済みです。LT1469の DIP品については、「共立エレショップ」で比較的安価で販売しています。「Digikey」「RSコンポーネンツ」で発注できるのなら、マルツやビスパ などよりも安価で入手可能な場合があります。
kiry様
昨日は私のブログへのコメント
有難う御座いました。
A47CPは比較的、簡単に作成出来て
オペアンプを交換する事により
自分好みの音質に仕上げられるので
面白いキットだと、私は思います。
ただ、オペアンプは購入してみないと
どのような音になるか、分からない為
このような、一覧表が有るのは
初めて作る人にとっては
有意義な事だと思います。
私などは、ネットでググって
購入、交換を繰り返した為
このような、オペアンプスパイラルに
陥ってしまいました。(笑)
http://o.pic.to/16nth5
また、皆様方SOICの変換基板購入の際には
充分にサイズチェックをして下さい。
さもないと、私のように
http://masarin33.blog39.fc2.com/blog-entry-15.html
トンデモナイ事になります。(爆)
昨日は私のブログへのコメント
有難う御座いました。
A47CPは比較的、簡単に作成出来て
オペアンプを交換する事により
自分好みの音質に仕上げられるので
面白いキットだと、私は思います。
ただ、オペアンプは購入してみないと
どのような音になるか、分からない為
このような、一覧表が有るのは
初めて作る人にとっては
有意義な事だと思います。
私などは、ネットでググって
購入、交換を繰り返した為
このような、オペアンプスパイラルに
陥ってしまいました。(笑)
http://o.pic.to/16nth5
また、皆様方SOICの変換基板購入の際には
充分にサイズチェックをして下さい。
さもないと、私のように
http://masarin33.blog39.fc2.com/blog-entry-15.html
トンデモナイ事になります。(爆)
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