プロフィール

Author:kiry
ヘッドホンアンプ中心に電子工作で遊んでいます。他に趣味の話題も。


kiry

カレンダー(月別)
11 ≪│2023/12│≫ 01
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
サイト内検索
Loading
カテゴリ
カウンター
よく見られている記事。
ブログパーツ
最新コメント
リンク
ブログランキング
差動入出力対応オペアンプ式バランス型ヘッドホンアンプ。
※2013/06/05…回路の修正
※2013/07/01…C1~4容量変更、アイソレータ追加他

一般的なオペアンプを用いて、入出力ともバランス対応のヘッドホンアンプを作ってみました。LT1994をはじめ、完全差動対応のオペアンプやドライバICも結構あるのですが…オペアンプ交換して遊べる方が楽しいですしね。

差動入出力対応オペアンプ式バランス型ヘッドホンアンプ。


入出力バランス対応ですが、もちろんシングルエンド入出力(→いわゆる普通の音声信号)も対応しています。ノーマルなヘッドホンもつなげますが…やはりバランス対応ヘッドホンは欲しいところ。

回路の概要

  • バランス入力→バランス出力 (入出力ともシングルエンドにも対応)
  • 回路利得…4倍
  • 両電源が必要

以上のようになっています。
電源は適当に用意して下さい。当サイトで紹介している回路としては…
トランスを用いた自作ACアダプタ (正負電源出力仕様)。
オペアンプ+SEPP分圧。

今回作製した基板では、主にコンデンサ類のスペースにより±6Vを想定してあります。電圧を変更する場合はオペアンプとコンデンサ類を適当に変えてください。

低電圧化に関してはオペアンプを低電圧向けの物にしたり、ゲインを変更(20kΩを10kΩに変更)などの変更が必要になる場合があります。この定数のままですと、オペアンプを変更しても±3V以上は必要でしょう。

回路図


差動入出力対応オペアンプ式バランス型ヘッドホンアンプ。


オペアンプによる差動増幅回路を2つ重ねた回路になっています。バランス回路ですので入出力が2チャンネル分ありますが、ステレオ信号にはこの回路がもう一つ必要です。

電源部についてですが、バランス回路ですので正負電源間へコンデンサが挿入されています。電源電圧がかかるので、耐圧に注意してください。特に電圧を上げたい場合は要注意です。

実体配線図と完成基板


差動入出力対応オペアンプ式バランス型ヘッドホンアンプ。 差動入出力対応オペアンプ式バランス型ヘッドホンアンプ。


ジャンパ(SE-B)はCold入力をGNDに接続するためのものです。シングルエンド入力時はCold入力ピンに信号GNDを接続のうえ、このジャンパをショートにします。バランス入力時はHot・Cold信号をそれぞれ接続し、ジャンパはオープンにしてください。

部品表


U1利得部デュアルオペアンプ (LT1112、LT6203、OPA2211など)2ケ
U2バッファ部デュアルオペアンプ(LMH6643、LT1364など)2ケ
L1-21uH4ケ
C1-4マイカコン 47pF (フィルム100pF + フィルム100pFでも可)8ケ
C5-7, 9-10, 15フィルムコン 0.1uF10ケ
C8電解コンデンサ 1500uF/16V以上2ケ
C11-12電解コンデンサ 1500uF/10V以上2ケ
C13-14電解コンデンサ 10uF/10V以上4ケ
R1-410kΩ8ケ
R14-15チップ抵抗 10kΩ4ケ
R5-820kΩ8ケ
R9-10100Ω4ケ
R11-12, 16-1722Ω8ケ
R1310Ω2ケ
VR1Aカーブ 10kΩ (20k~50kΩでも可)4ch分

部品は基板1枚分(ステレオ音声用)です。回路図では片チャンネル分しか書いていないので、部品数は適宜確認してください。

バランス回路ですので、抵抗などの本数がちょっと多め。ICソケット、ピンヘッダなどは必要に応じて適当に用意してください。位相補償のマイカコンデンサ47pF(C1-4)については、フィルムコン100pF 2ケの直列接続(約50pF)に変えても良いです。R14-15はスペースの都合でチップ抵抗にしました。普通の抵抗を使う場合は、C13-14を省略し空いたスペースに入れるのが良いでしょう。

ボリュームについては、シングルエンド入力専用にするなら通常の2連ボリュームでも構いません。しかし、バランス入力とするなら4連ボリュームが必要になります。どこかで特注・三栄電波で購入・2連ボリュームをニコイチ改造・電子ボリュームで4ch制御…など、一応入手する手段は色々あります。据置機にするなら、電子ボリュームを使うのが案外安くて高品質だと思います。

平衡度、出力オフセットなどを最適にしたいなら、抵抗類、特にR1-8を選別して精度よく揃えるのが良いでしょう。とはいえ、面倒くさいので私はやる気にならないのですが…。

備考

  • シングルエンド入力の場合は、Cold入力をGNDに落として下さい。シングルエンド入力からでもバランス出力が得られます。
  • シングルエンド出力の場合は、Hot出力とGNDを取りCold出力は未接続としてください。
  • オフセット電圧ですが、だいたい1mV未満に収まるようですので出力Cを除去しました(2013/06/05)。不安な場合は適宜追加してください。
  • ポップノイズについてですが、オペアンプによって変わってきます。LT1112、LT6203などではかなり小さく、OPA2211でもこれらよりは大きめながら許容出来る範囲でした。
  • 当然ながら、オペアンプによって音質は変わってきます。U1がLT6203だと、スッキリしつつもメリハリがある良い音です。ただ、整理されすぎて一部の音が足らない印象もありますが。OPA2211では全体に厚みがあって聴き応えがありますが、2ケ必要なので高くつきます…。結構良かったのがLT1112。低音が薄いはずの品種ですが、この回路でバランス出力だとさほど薄さを感じさせません。元々色付け薄めの高精度な音質なので、よい感じにまとまります。…まあ、この辺はお好みで。
バランス化計画 | [2013-07-01(Mon) 22:50:34]
Trackback:(0) | Comments:(20)
コメント:
初めまして。
突然ですが、一つ質問があります。

実体配線図にて、
C1-C3には15pf,C4は100pfとありますが、
C1-3には18pfの積セラを載せ、C4にフィルム100pfを載せるのでしょうか?
それとも、C1-4には積セラ18pfとフィルム100pfを直列接続した物を用いるとの解釈でよろしいのでしょうか?

よろしくお願いします。
2013-02-24 日 05:33:01 | URL | 大学生 #- [ 編集]
コメントありがとうございます。

>C1-C3には15pf,C4は100pfとありますが、
…1ヶ所間違ってますね。ご指摘ありがとうございます。
100pFは間違いで全部15pFです。後ほど図も修正しておきますね。

ご質問の件については、後者が正解です。
100pF+18pF直列接続を一つのコンデンサに見立てて使用して下さい。

コンデンサの直列接続ですので、いわゆる「和分の積」でして…

18pF//100pF = 15.25pF

となります。
2013-02-24 日 23:44:30 | URL | kiry #G.Wk6TwM [ 編集]
コストパフォーマンス良さそうなので真似させていただきます。電源部分で質問なのですがウルトラファイアなどの4v近くでる電池を二つでつくることは可能でしょうか?教えてください。
2013-06-24 月 00:16:01 | URL | ちきん #- [ 編集]
>ちきんさん
コメントありがとうございます。

電源はなんでも構わないですよ。±1.2Vとかあまり低電圧だとダメだと思いますけども。ただ、リチウムイオン2本から直接中点を取ると、消耗時に正負バランスが崩れそうな気もするので注意したほうが。

リチウムイオン電池では、過電流など原因で異常加熱・爆発などが起こりうるので…。

なお、現在テスト中ですが位相補償の容量はもう少し上げた方が良さそうです。15pF→47pFにして、出力にアイソレータ(1uHと22Ωの並列接続)をつけたバージョンを作成予定。参考までに。
2013-06-24 月 00:50:24 | URL | kiry #G.Wk6TwM [ 編集]
ポータブル化させたかったのでケースのサイズとコストあと時期により旧基盤のマイカコンデンサの値をかえたかたちでつくらせていただきました。音質は中域以上が少々もやがかっている感じがしました。
値を変えるなど少々付け足すほどで改善策が何か思いつくようでしたら、たすけてほしいです。よろしくお願いいたします。
2013-07-08 月 03:27:14 | URL | ちきん #- [ 編集]
大きさはコイルがでっぱるなどない場合は変わらないのですね。訂正です。
2013-07-08 月 04:00:23 | URL | ちきん #- [ 編集]
ちょっと情報が少ないので一般論的になっちゃいますが…

抵抗が多いからなのかもしれませんが、この回路はエージングに時間がかかります。完成直後は結構ヒドい音がすると思いますが、しばらくすると落ち着くはずです。
マイカコンも経験上エージングに時間がかかりますので、もし出来立てなのでしたら、数日通電放置してみてください。

後はさらに一般論になりますが、電源・GNDも重要です。
電源部の構成が分かりませんが、DCDCやスイッチングIC、ACアダプタの高周波ノイズは、可聴域外であっても明瞭感の欠如につながります。LCRフィルタなどの対策が有効です。

入力がアンバランスの場合は、ColdにGNDを接続する関係で周辺機器のGNDノイズも影響してきます。特にPC直結USB-DACやPIC等のマイコン類など由来のデジタル系ノイズは影響大なので、アイソレートするなり配線考えるなりする必要があります。

…こんなところでしょうか?

p.s
現行との大きな違いはマイカコンの容量と出力アイソレータだけなので、気になるようならチップコイル/チップ抵抗をつかえばアイソレータは構成できると思います(Bispa・マルツあたりに程よいチップコイルがあったような)。
2013-07-08 月 22:09:12 | URL | kiry #G.Wk6TwM [ 編集]
バッファをLT1364利得用をop275電源は±5vでいい感じなポータブル機が完成しました。
感想はHE400できくとローより気味で細かくかつ明るく元気な感じになりました。5EBで聞くとレンジが広がる感じがありかなり音楽に包まれてる感じがします。
とてもいい感じです。コイルをつけるとどうなりますか?
2013-07-14 日 04:02:17 | URL | ちきん #- [ 編集]
>ちきんさん

その後が気になっていたのですが、良い感じになったようで良かったです。
OP275だとそんな感じになるんですね。この回路で試してなかった。

コイル…というか、アイソレータは安定性向上を狙ったものです。音質自体はそれほど変わらないハズ。ただし、オペアンプによっては動作が安定することで良い音になる可能性はありますね。
2013-07-14 日 13:13:08 | URL | kiry #G.Wk6TwM [ 編集]
オペアンプにかんしてですが、バッファ用に8920も音が良かったです。8820はつかえませんでした。
いい感じになったので明日のポタ研にもって行きます。
また、もしよろしければTwitterなどもやられていたらgorogoroneruoというアカウントで自分やっているのでフォローいただけると嬉しいです。
2013-07-14 日 16:57:14 | URL | ちきん #- [ 編集]
op275の代わりに2604をのっけてもかなりいい感じになりました。
2013-07-14 日 16:58:47 | URL | ちきん #- [ 編集]
>Twitterなどもやられていたら
申し訳ないのですが、Twitterは続きそうもないのでやってないのですよー。ブログ一筋なので今後ともよしなに。

>いい感じになったので明日のポタ研にもって行きます。
ポタ研かー。興味はあるけどER-4Sがホコリかぶるレベルでポタ用途が無いんですよね。作られたアンプが会場でも良い音出してくれる事を祈っております。

>オペアンプにかんしてですが
ポタ用途なら、他にも利得LT1112/バッファLMH6643とか安価かつ電池持ちも良くて良いかもしれませんね。色付け少なめなので、音楽的な響きなどがお好みなら合わないかもしれないですが。
2013-07-15 月 00:32:50 | URL | kiry #G.Wk6TwM [ 編集]
初心者で回路のことなど詳しくは分からない者です。すみません。バランス入力部分の回路ですが、Hot、Coldの入力信号が回路図上の上下のオペアンプに入力されるようになっています。これはこの回路だからできるつなぎ方なのでしょうか。オペアンプの追加なしでバランス入力できるようになるので自作のヘッドフォンアンプに応用したいとおもっているのですが。よろしくお願いいたします。
2013-07-25 木 22:30:50 | URL | GVX #- [ 編集]
GVXさま
コメントありがとうございます。

ブログのコメント操作がイマイチ分からなかったので、一度コメント削除して投稿し直させて頂きました。メール公開するのも…と思ったので消してしまいましたがあしからず。適当にパスワードを入れて投稿すると、後から自分で編集できますよ。

>これはこの回路だからできるつなぎ方なのでしょうか。
一般的なヘッドホンアンプ回路などで用いられる、非反転増幅や反転増幅回路で可能かどうか、という意味でしたら不可能です。

本記事の回路(の初段)は差動増幅回路を2つ並べたものです。詳細は「オペアンプ 差動増幅回路」などで検索して頂くとして…。

差動増幅回路ではオペアンプの+、-端子に入力された信号の電位差だけが増幅されます。これを2回路用意し、Hot、Cold信号をそれぞれ逆にして入力する事で、互いに逆位相のバランス出力を得ているワケです。

バランス入力だけがお望みなら、片チャンネル分に2回路用意する必要はありません。差動増幅回路へバランス信号を入力すれば、バランス入力→アンバランス出力とすることが出来ます。
2013-07-25 木 22:32:53 | URL | kiry #G.Wk6TwM [ 編集]
差動増幅回路になっていないとだめだということが分かりました。分からないことが多くて、同じような回路に見えていました。ありがとうございました。
2013-07-26 金 22:25:21 | URL | GVX #- [ 編集]
まいどお世話になってます。
今回はエッチングと表面実装パーツを用いて小型化いたしました。
秋月の電源パーツを含め006pいれてテイシンのモールドケースTB56(95×65×20)に収まるよう配置などしてみました。
かなり小型化できたので持ち運びも不便してません。

ただし電源パーツ(http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-06528/)とオペアンプ(8920と2604)がかなり熱を持ちます。
助言いただけるとたすかります。

音質は表面実装パーツを用いた点とオペアンプの変更で少々前作からは変わってます。

ポータブルなどもやられるようでしたら、エッチングした基盤おおくりいたします。

これからも期待してます。
がんばってください。
2013-08-13 火 18:46:49 | URL | ちきん #- [ 編集]
>ちきんさん
Twitterを見せて頂きましたが、コンパクトな仕上がりですね。
TB-56なら持ち歩いても許せるサイズですし、なかなか良いかと。
気になるのは電池の持ちかな。006Pの容量だと…?


>助言いただけるとたすかります。
オペアンプもDCDCも、使ったこと無い品種なので分かりません。

…で済ますのもアレなので、気がついた事だけ書いてみます。なお、「一方が原因で他方に影響している」という可能性もありますね。


1.オペアンプ
OPA211/LMH6643(±6V駆動)では人肌程度の発熱です。±5V程度で明らかに熱を感じるのなら、発振などを疑った方が良いかもしれません。もしオシロがあるならMHz帯で発振していないか調べてください。

さらに、オペアンプが交換可能なら別品種を試す・以前作られた基板で同じ品種を試す…などして、原因が基板とオペアンプのどちらなのか調べましょう。

また、ヘッドホン接続・未接続で状況が変わるかも気になります。未接続で発熱が少ないなら、ヘッドホンの負荷で発振している可能性もあります。この場合はアイソレータを入れると落ち着くかもしれません。


2.DCDC
気になるのは「最大容量性負荷:470uF」という点。アンプ直結では電源コンデンサだけで超えそうな…?DCDC自体が不安定になってたりしませんか?(出力電圧が不安定とか…)

DCDC出力にLやRをフィルタがてら挿入したら変わるかもしれませんが、9Vの006PならDCDC使わなくてもよい気がします。分圧しても±4.5Vですし。

バランスアンプなので単純に抵抗分圧でも使えそうですが、オペアンプやTrでレールスプリッタ組んだりTLE2426使って仮想GNDにするのが良いと思います。

---
とりあえず正常動作している基板があるなら、それと比較して原因を探してみてください。
2013-08-14 水 19:17:50 | URL | kiry #G.Wk6TwM [ 編集]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2016-11-25 金 15:05:41 | | - # [ 編集]
> 電源についてのご質問
±15V(または15V?)での動作との事ですが、とくに問題はないかと思います。

電池2本動作など極端に低電圧を考えるなら別の話になりますが、基本的には各部品(特にコンデンサやオペアンプ)の耐圧に気をつければ自由に電圧を決めても動くでしょう。

もし±15Vなら、最大30Vの電圧がかかります。低~中電圧帯のオペアンプでは耐圧超えますし、50V耐圧のコンデンサも必要になりますので注意してくださいね。
2016-11-25 金 19:08:04 | URL | kiry #G.Wk6TwM [ 編集]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2016-11-26 土 14:28:34 | | - # [ 編集]
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する



▲ページのTOPにもどる


お知らせ。
ご意見・ご感想大歓迎です。該当記事へのコメントなどでお伝え下さい。喜んでお返事いたします。
ツイッター
管理人のオススメ記事。
あると便利な工具類。