今回は先日製作したヘッドホンアンプの製作過程をご紹介。ACアダプタ駆動の据置型です。
個人レベルでの自作アンプ製作の場合、安全性や快適さなどは後回しになる傾向があります。よくあるのは「出力オフセット対策」や「POPノイズ対策」が無い…というパターンですね。これらに対する対策は、音声経路に余計な部品・回路を挟む形になります。
ですから、音質最優先の設計を狙った場合は意図的に除去する場合もあります。
ただし、コレは知識のある方が、「安全マージンを理解し」「起こりうる危険を把握した上で」狙った設計です。我々素人はちょっと考えたほうが良いでしょう。
出力オフセット・POPノイズとも、「気にする必要はない」「ヘッドホンへダメージがある」など色々な意見がありますが…。数千円の自作アンプによって数万円のヘッドホンが壊れてしまったら泣くに泣けませんよね?
というわけで、安全対策の回路を組み込んだヘッドホンアンプです。
…今まで紹介してきた回路の組み合わせとも言いますが。
製作の際に知っていると良いポイントも同時に紹介します。
全3回のシリーズです。お付き合いくださいませ。
- 第一回(安全性向上のための周辺回路)…本記事
- 第二回(基板の配置とケース加工)
- 第三回(GND周りと配線)
→もうちょっと簡易な基板での製作記事も作成しました。
【初心者向け】 A47式ヘッドホンアンプを自作しよう!(基板製作編)
基板の準備。
まずは基板を作成しましょう。
利用する回路は以下の4つ。詳細は弊サイトの記事でご確認を。
今回の記事は「製作過程の紹介」ですので、別の回路を利用する場合は適宜読み替えた上で本記事を読んでいただければ幸いです。その場合、音声回路には入出力カップリングやDCサーボなどの出力オフセット対策を講じた方が望ましいでしょう。
なお、電子ボリュームは今回のテーマとは直接関係ありません。
音質・快適さから採用していますが、10k~20kΩ程度のアナログボリュームに置き換えても良いでしょう。
実体配線図
今回作製した基板の実体配線図です。DC12V駆動を想定した設計になっています。それぞれの回路図は各回路紹介記事にてご確認ください。
出力オフセット
「回路切替式HPA(DCサーボ付き)」の場合は、アクティブDCサーボ回路を組み込んであるため入力にDCオフセットが乗っていても出力オフセットはほぼ0になります。
なお、「LM1972を使った電子ボリューム」には入力カップリングコンデンサを挿入したほうが良いでしょう。
POPノイズ対策
「PhotoMOSリレーでミューティング回路」を利用しています。電源ON・OFF時に回路出力と出力端子の間を遮断する動作になりますので、ほぼ完全にPOPノイズをカットできます。電磁リレーを使っても良いのですが、意外に回路規模が大きいのとリレーの寿命が気になるので…。
PICを使っていますが、配線を間違えなければデジタルノイズの影響はあまり考えなくても大丈夫です。
その他
ACアダプタを電源とすることで、電源のショートやサージノイズなどに対しては"ある程度"対応できるでしょう。(今販売している製品ならPSEマーク取得済みでしょうし。)
トランスを用いて電源部を自作する場合は、面倒でも適当なヒューズを挿入することをオススメします。…イザというときに電源部の安全対策がモノを言いますので。
その他、回路的な安定性を高めるため「アイソレーター」を挿入します。回路は単純で、インダクタと抵抗を並列に配置するだけです。
ヘッドホンアンプ回路で採用している例は少ないようですが、可聴域外の高周波を減衰させる役割があります。外部からの高周波の侵入もカットできますので、アンプへの影響を低減できます。また、高域におけるインピーダンス変動を抑える働きをしますので、アンプ動作の安定性向上につながります。
というわけで、今回は上記の回路をユニバーサル基板3枚に配置しました。次回はこれらをアルミケース「YM-150」に設置していきます。
Sunday Gamerさま。コメントありがとうございます。
楽しんでいただけたようで何よりです。
参考にしてもらえているコメントは大変嬉しいです。
こんな感じのコンセプトですが、参考にしてもらえるならなによりです。
これからもどうぞよしなに。
楽しんでいただけたようで何よりです。
参考にしてもらえているコメントは大変嬉しいです。
こんな感じのコンセプトですが、参考にしてもらえるならなによりです。
これからもどうぞよしなに。
2012-07-17 火 23:44:21 |
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kiry #- [ 編集]
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